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大企業の新規事業はどうやって作る?その方法とは。

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働き方改革が進んで早く帰れるようになっても意外と業績って落ちませんよね。でも、一部の人は気づいています。仕込みのビジネスが恐ろしく減ってきていると。

 

つ効率化を追求しすぎたので新しいビジネスが生まれなくなってきているというのです。とある1000人そこそこの規模の会社の社長さんのお話だと、最近は早く帰る為に業務を効率化する為に無駄のないプロセスを作り、さらには効率の悪い仕事をお断りする事も増えてきたという。「もちろん、無駄は減りました」と。

ただ、それによって今まで生まれていた新しいビジネスや数年後を見据えた稼ぎ方みたいな話が全く社内で出てこなくなってしまったようです。

 

そこで、新規事業のコンテスを開催したら全く集まらない。担当の人間に聞いたところ「効率化を追求しすぎた結果、プライベートは充実してそうだが仕事でやりたい事や成し遂げたいことは減っているみたいです。」との事。

 

もうこれから一般の社員がバリバリ働きながら積極的に新規事業を立ち上げて「なんとかこの事業を通してください!部長!本部長!社長!」みたいな時代は....なかなかなさそうですよね。

 

そんな中で、いま大手企業が頼っているのはベンチャー投資です。なぜなら、自社からはなかなか破壊的なインパクトを持ったアイディアは出てこないからです。事業を立ち上げる熱量のある人達はベンチャー投資がこれだけ市場に溢れているのですでに外にいるんですね。 

  

 

 

では、大企業はどうやって新規事業を作ればよいのか?

「君、今日から新規事業担当だ!」とか冗談ではなく起きているらしいので、大手コンサルティング会社なども使っている手法ではありますが、少し紹介します。

 

 

 

事業のスコープを決める

 

新規事業を始める時に、まず困るのが範囲が定まっていない事だ。本業とのシナジーやアセットの活用などいろいろと制限をしすぎても発想は広がらないし、逆に何もなさすぎると何も出てこない。そこでまずはスコープ(=範囲)を決めましょう。

 

1,テリトリーを決める

デジタルトランスフォーメーションが進む中で、もう国や地域にこだわらずいろいろなことが出来る様になりました。中国だったら個人情報の取得や過度なデジタル化も出来るけど日本だとライドシェアすら規制対象。どこの国、地域でやるかによって出来ることが決まってきます。

 

2,既存アセットを活かすかを決める

完全新規か既存のアセットを活かすかを決める。

■完全新規ビジネス

既存のアセットなどは全く考えずに新しい事業で収益を求めるパターン

■既存のアセットを利用

既存のアセットを使い新しいビジネスを作る方法。例えば、docomoが作ったiモードは既存の携帯料金の集金スキームをB2B(コンテンツサプライヤー)に提供することで収益を生んだモデルだ。

■既存の事業をベースにしながらも新規事業を作る

例えばUberはライドシェア事業をベースにしながらも、Uber Eatsという飲食配達事業を作り上げた。

 

3,その他のルールを決める

既存の顧客を持っていくようなビジネスにはしない。手を出してはいけない領域を決めるなどだ。このあたりは、会社の偉い人が予め決めておくと良いアイディアが出たにもかかわらず謎のルール(たいてい社長・役員のプライドやこだわり)で却下にならなくて済む。

 

アイディアを出す

 

スコープを定めたらあとはアイディアを出そう。

大きな事業は下記の大きな時代の流れの時に生まれる。

・人口動態:少子高齢化

・法律などルール:マイナンバー

イノベーション:インターネット、スマートフォン

など。

 

ただ、こんなのはそうそう起こらない。

また、他にも顧客のニーズ(ペインポイント)から考える手法もあるが、

・後継者不足(M&A)

・空き家問題(解体 OR リフォーム)

だいたいみんな思いつく。よほどアセットと親和性があれば別だろうが。

 

できたら苦労しないと言われるかもしれないが、まだ世の中に出ていない潜在的な課題を発見する事や、こうなったら素敵だなという未来を思い描けるか、それに尽きると思います。

 

ビジネスアイディアを絞ってローンチに向けて準備する

 

基本的にはビジネスは10個ほど大きなビジネスアイディア(スキーム)を作り上げたあとに上司と共に3,4個に絞り込んで役員会などにかけるのが良いだろう。別に10個ぶつけても良いと思うのでそのあたりの判断はお任せします。(この辺は会社によって変わるだろうが)

 

その後、会社としてGOが出たものをまずは市場に出す。

この場合は1年である程度目標を定めたら達成できなかった場合は撤退するなどの共通認識を持っておいた方が良いだろう。トップダウンでスタートした事業ほどうまく行かなくて引き際を見失いがちである。

 

・1年以内に月間UU500万

・月の売上が1,000万

・年間流通総額5,000万

・DL数100万

などなど。実施するビジネスに合わせて適した目標を定めると納得感を持って撤退出来ると思います。

 

いかがでしたでしょうか。

大企業で新規事業の担当を任せられたら上記を参考にしてみてください。

ビジネスアイディアの出し方や新規事業のスキームの考え方は書籍で多く出ておりますので、そちらも合わせてご覧ください。

 

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上司の不満はすごい!働き方改革の抱える大きな弊害

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各社本格的な施策を導入し始めた働き方改革ですが、その働き方改革によって大きな弊害を被っています。それこそこんな発言も聞いたことがあります「働き方改革に殺される」と。

 

そう世の中も感じているのかなと思った理由の一つが

日本テレビ系で放送されていたMissデビルの第3話「口だけ上司&生意気部下を叩け!」を見ていたときでした。

ネタバレを含むので、ドラマをまだ見てなくて楽しみにしている人はご注意ください。

 

ざっくりと概要を記載すると

・人事部が働き方改革の制度を導入、各部署に対応を求める

・部長が号令を出して部下の課長に対しても徹底を要求

・しかし、仕事は減らないので課長は部下の若手にも負担を要求

・若手は自分の仕事じゃない、帰社時間を守れない、パワハラだなどの理由で仕事を受けない

・結果課長が部長から無能の烙印を押されて、プッツンしてしまう

 

という内容でした。

世の中の中間管理職の皆様にとってはとても心を締め付けられるような思いの内容だったのではないでしょうか。

上からは部下を早く帰らせろと言われ、下の人間からはこんな施策実態に即してなくできるはずがないと詰められる。中間管理職って辛いなと思うのとともに、マネジメント層というのはその責を負っている立場なので致し方ないと思ったりもします。

 

私が、それよりも問題だと感じるのが、さらにその下の現場担当にそのままその任を押し付け、出来なければ無能と烙印を押す流れです。話を聞いた某日本を代表する大手企業の人の話ですと、もうこれは評価制度にも加わっているようで同じ仕事をこなしているのに早く帰れなければマイナス査定になるとのこと。

 

これが横行すると「隠れ残業」「持ち帰り」などが出てくるわけです。

(ちなみにこれもMissデビルで別の話で取り上げられてます。以外に社会派ドラマなんですね。)

ただでさえストレスの多い現代社会、営業職などは数字のプレッシャーを与えられてるのにまた別軸のストレスを与えたらダメになってしまう人が多くなるのでは無いでしょうか。

 

例えば、代理店なんてのはもともと100時間超える残業は当たり前だった業界です。(もちろん、いけないことです)しかしながら、その業務量が前提とされたまま昨年よりも大幅に残業を減らせと言われる。

では、残業100時間分の仕事を減らそうとするとどんな方法があるでしょうか。

 

1,業務フローを見直し無駄を無くす

既存の仕事をそのままやり方変えて短時間で達成する方法です。これが経営層が求めるような方法ですね。ただ、私は声を大にして言いたい。こんなことは言われる前からやっておけと。

周りにいませんか?働き方改革後なんかやたら早くなった人。あえて今、この方法で業務時間が減った人間は過去の怠慢を追求すべきだと思います。

 

2,仕事を断る(利益効率の良い仕事だけ受注する)

これも業界では一時期とても頻繁に起きたことです。これを上から許された企業は時間内に出来ないので他に振ってくださいとクライアントに言ってましたね。

ある意味、本当にほしい仕事だけに取捨選択したんですから、これから市場が縮小する見込みの業界としては骨太経営になりますね。ただ、本当の大手以外は仕事を断ることを許されないので一部企業でしか実現し得ない技ですね。

 

3,新しい仕事(利益効率の良い仕事を)を作る

これも経営や人事が言いがちなことですね。少ない労力て、高い利益を出せる仕事を取ってくれば、今抱えている利益効率の悪い業務をその分切れるじゃないかという考えですね。

至極正しいですが、2つ問題があります「やる時間が無い」「やる能力が無い」です。そもそもこんな事出来るならやってますし、100の仕事を50の時間でやれと言われている中で誰もこんな+αの時間捻出出来ません。

 

4,人を増やす

人が増えると、1人あたりの仕事は減りますよね。ただ、その分コスト増になるのでパーヘットの稼ぎは減ります。それでも良いと割り切った会社と、それだと給料下げる結果になるからそれは出来ないとなった会社と。そう簡単では無いですよね。

 

5,テクノロジーを導入する

単純な仕事は機械に任せましょうという話。コピーをAIに書かせたり・・(ただこれは業界の根幹を揺るがすような話だなーと私は思いましたが。笑)

もちろん、導入にはコストと制度が必要です。

 

6,仕事をアウトソーシングする

人事・経理・法務等のアウトソーシングをできるものはできる限り社外に出すというのも一つの手段です。グループ再編等で1箇所にまとめたりしてそこを強化するのも一つの手段ですね。これもコストが掛かります。

 

 

 

さて、おわかりいただけたでしょうか。

 

上記の解決方法は(方法はまだあると思いますが)おおよそ現場担当ではいかんともし難い問題となってます。それこそ、現場担当だけじゃなく中間管理職レベルでは解決出来ない問題です。

きちんと経営層がそれを認識して、ソリューションとセットで働き方改革を実行出来ない会社は誰かを殺します。

 

 

厳しい言葉を使いますが、そうならないといいなと思ってるがゆえです。

ぜひ働き方改革を推進する経営層・人事部の皆様はその事を考えた上での対応をよろしくおねがいします。

 

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