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企業がSDGsに取り組む時に必要な3つのステップ

SDGsへの社会的関心が高まり、内閣府も率先して取り組みを発表、そして外務省や経済産業省などからの働きかけもありSDGsはだいぶ企業に浸透してきました。

とはいえ、まだ事例も少なく取り組みたいものの戸惑う企業の担当者さんも多いと思います。そこで、今回はその担当者さんのバイブルとなるべく記事を書きましたので御覧ください。

 

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1,SDGsに取り組むにあたって

SDGsを知る

まずは、SDGsについて知りましょう。取り組むにあたり、なんとなくの知識で始める事ほど危険な事はありません。

SDGsとは

SDGsとは、Sustainable Development Goalsの略で、エスディージーズと読む。2015年に国連で採択された持続的な開発目標である。詳しくは下記の記事を参照ください。

 

adomake.hatenablog.com

 

CSRCSVSDGSの違い

CSRとはCorporate Social Responsibility、直訳すると企業の社会的責任である。企業により色々な捉え方があるが、恵まれない子どもたちへの寄付や植樹など利益の再分配的な慈善活動として捉えられる事が多かった。

CSVはCreating Shared Value、直訳すると共有価値の創造でマイケル・ポーターの提唱した概念である。社会価値と経済価値の同居を促す考え方であり、有名なところでいくと伊藤園のと「農家教育と安定収入の提供という社会的価値」と「緑茶の原料である茶葉を、安定的にかつ高品質で仕入れるという経済価値」を両立させるための茶産地育成事業などがある。

一方、SDGsは持続可能な経済活動あってのものとして考えられており、取り組む事でSDGsマーケットを開拓出来るという経済価値があるされているので、どちらかというとCSVに近い考え方であるが、具体的な目標が定められ国際的な”共通言語”となっている点で違いがある。

 

 

・何のために取り組むか

SDGsに取り組むことで得られるもの

上場企業と非上場企業により、目的は異なる場合がある。上場企業においては環境・社会・企業統治に配慮している企業に対して投資を行うESG投資が一般化してきている。それに伴い国際的な目標であるSDGsに取り組む事は、企業姿勢としてほぼ必須となってきている。

一方で、非上場企業は投資家に向けてのアピールの必要は無いが投資家や大手企業がその方向に舵を切る中で無関係ですとは言えなくなってきている。SDGsに取り組む企業は今後サプライチェーンの中に入る企業の姿勢もみるだろう。そうした時に、そういった経済活動から外れないようにする事が必要だ。

企業姿勢としてのSDGs

もちろん、経済活動とは切り離し100%の善意でSDGsに取り組んでいますという企業もいる。しかしながら気をつけたいのが、その活動が景気に左右されないようにする事である。日本企業は好景気で多くの企業が取り組む”余裕”がある状態だろう。しかし、景気が衰退した瞬間に「余裕が無いので辞めます」では本末転倒である。企業に求められるのは持続的な経済活動に支えられる継続的な支援である。今一度本業との関わりを見直しwin-winになれるポイントを探してほしい。

 

SDGsは会社ごとである

ここまでお読み頂いた方はおわかりいただけたかと思うが、SDGsへの取り組みというのはそのまま企業姿勢なのである。「経営理念に基づいた経営ビジョン」として捉え、きちんと会社として方針を出さないことには形だけのSDGsで終わってしまうでしょう。

 

 

 

2,会社内での取り組みとSDGsの関係性を調べる

SDGsに取り組む事になったらまず自社で行っている取り組みがSDGsにあたる取り組みなのか現状を整理するところからスタートする。

・どんな取り組みがSDGsにあたるのか

SDGsの17のゴールと169のターゲット

SDGsには17のゴールと169のターゲットが存在する。ゴールの1(飢餓)の1つ目のターゲットは「2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」である。まずは、膨大ではあるがざっと169のターゲットに目を通しておくべきであろう。

厳密なルールは存在しない

では、17のゴールと169のターゲットに当てはまる取り組みは無いからだめかというと決してそういうわけではない。これらは国連で採択された共通目標ではあるがそこへ至るまでの道は決してひとつではない。自分たちとして、大きなゴール、そして細かなターゲットの達成に向けて資する取り組みだと思えば、それらを紐付けて考えるべきであろう。

 

・ラベリングする時に気をつけたい事

今の取り組みをSDGsに置き換えただけだと単純に(SDGsの)色をつけただけとも言える。多くの企業の場合は今までのCSR活動を分類して色を付けるだけで終わってしまう。しかし、それはSDGsの達成に向けて取り組むという目的からは大きく逸れてしまっている。見せかけだけの取り組みではなく、国際的なこの目標の達成に向けて取り組むという姿勢と気持ちを忘れないよう気をつけていただきたい。

 

 

 

3,打ち出し方を決める

さて、SDGsを理解し会社の方針も決まり、社内の情報整理もできました。そこでいよいよ社外への打ち出し方を決める時です。基本的にはCSRCSVの打ち出し方と変わりませんが現在SDGsへの取り組みの表現は多岐に渡っているので自社に合った打ち出しをしていきましょう。

・社外への公表(ホームページ)

社長の挨拶やHPの一部で「SDGsに取り組んでいる」事だけを伝えるケース

社長の言葉で「我社はSDGsへ取り組んでまいります。」と表現したり、HPの一角で「弊社はSDGsに取り組んでいます」とだけ宣言する方法です。過去2,3年は採択されたあとでとりあえず宣言というのは多く見られましたが2019年に入った今、具体の話なく社長の言葉だけというのは後手に回っている感が出るのでおすすめしません。

CSRなどと絡めて宣言を行う場合

つぎが、CSRと絡めて宣言をする方法です。既存のCSRのページにSDGsではこの番号に該当します。と、最小限のCSRページの修正で自社の活動とSDGsを紐付けている発表の仕方です。

SDGsの特別ページを作る場合

 最後に、SDGsの特設ページを作る方法です。大手企業で記載できる活動も多い会社が実施している印象です。また、CSRのサイトをまるまるSDGsのページに作り変えている企業も多くいます。SDGsの達成を最上段の目標に掲げ、そのためにどの様な取り組みを行っているかを記載していくページ構成です。

・ツール制作

会社概要

会社概要に記載をする会社も増えてきました。もし記載する場合は、宣言のみを行うか見開き2,4ページで大きく様々な活動を載せるかどちらか割り切った方が良いと思います。中途半端な見せ方が一番残念な印象を与えます。 

サステナビリティレポート

こちらは当たり前ではありますが、既存でサステナビリティレポートを作っている会社は、必ずSDGsとの関係性を網羅的に表現する内容に作り変えましょう。 

SDGsツール

まだ多くはないですが、自社のSDGsへの取り組みを専用のツール化する会社も出てきました。B2Cのビジネスを行っている会社や新卒採用では力を発揮すると思います。余力のある会社さんは作ってみてください。

SDGsのマークは勝手に使って良いの?

よくある疑問としてSDGsのマークて勝手に使っていいの?というものがあります。実は、ロゴマニュアルに使う場合は書面にて申請をするようにと書かれているからなんです。しかし、こちらは”商用利用”や”ロゴマークの組合わせ”などイレギュラーな事を行う場合のみです。企業の姿勢を表現するツール各種に関しては利用しても問題ないと言えるでしょう。

ロゴは下記よりDL可能です(国連広報センターHPへ)

SDGsのロゴ | 国連広報センター

 

いかがでしたでしょうか。CSRレポートなどを専門に制作する会社はありますが、まだSDGsに慣れている広告代理店、制作会社とうのは少ないのが現状です。担当者として頭を悩ますタイミングではあるかと思いますが、このタイミングで取り組むことには大きな意義があります。

 

是非、記事を参考にして素敵な取り組みを実現させてください。

 

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