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オウンドメディアの閉鎖はコンテンツマーケティングの終焉か。

オウンドメディア閉鎖が意味するもの

オウンドメディアが次々に閉鎖されている。そんなニュースが2019年に入ってから度々流れるようになってきた。「みんなのごはん」「フミナーズ」「Rettyグルメニュース」などである。これを受けて”オウンドメディアの終焉”と表現する人が多かったが、本当にそうなのだろうか。今回の記事では、オウンドメディアの今を、コンテンツマーケティングについても触れながら解説していく。

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オウンドメディアに何が起こったのか

Googleアルゴリズムの変化

近年、立て続けにGoogleアルゴリズムのアップデートが続いている。PVを稼ぐ為にWebページを山の様に製造する業者・個人のせいで情報の精度が落ちている事が主な原因だ。GoogleSEOも対策をしづらいものにしてページの品質を保証しようとしている。特に、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる健康、医療、お金、法律などユーザーの生活に関わるコンテンツに関して大きく手入れを行いここに関連するオウンドメディアは大きく順位の変動を見せた。これにより大きくPVを落とした企業が相次いだのが主な原因だろう。

コストの増加

慢性的な人材不足に加えて昨今の働き方改革もあり、メディアを運営する側も、実際に記事は作らないもののチェックや企画の社内説明などを逐一対応する事ができなくなったのも原因の一つだろう。私が担当している企業も最近オウンドメディアへの取材記事の格納を行うコンテンツの更新を止める決断を行った。

 

オウンドメディアとコンテンツマーケティングの違い

ただし、これを受けてオウンドメディアの終焉という人が多いが、それはオウンドメディアとコンテンツマーケティングについてごっちゃになっている人が多いからではないかと思われる。そこで、まずはその用語の整理をしておきたいと思う。

オウンドメディアとは

オウンドメディアとはもともとトリプルマーケティングと呼ばれる「オウンドメディア」「アーンドメディア」「ペイドメディア」の3つの内の1つである。簡単に解説をすると

「オウンドメディア」自社が保有するあらゆるメディアでHP、ECサイトSNSやパンフレとに至るまで全てがそれにあたる

「アーンドメディア」マーケティング活動で獲得した”話題”でありテレビ番組やSNSの口コミなどがそれにあたる。

「ペイドメディア」これはお金を払って買うメディアでTVCMを筆頭にWEB広告や看板などがそれにあたる。

ここまで説明するとお分かりになったと思うが、HPの記事更新が止まったところで数あるオウンドメディア自体の終焉とは言えないのだ。

コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、色々な使われ方をする事があるのだが今回の記事においては、顧客に対して価値のある有益なコンテンツを作成・拡散する事によって自社のWebサイトへと顧客を呼び込んで販売やブランディングにつなげる施策の事を指す。今回、終焉と呼ばれているのはどちらかというとこのコンテンツマーケティングの事が多いだろう。

 

オウンドメディア(HP)は終わったのか

いやいや、アドマケさん揚げ足取りはいいよ。つまりは、コンテンツマーケティングが出来なくなった、その意味でオウンドメディア(HPのコンテンツマーケティング)は終焉したって事で良いんだよね?と言われそうなのでここから私の見解を書いていく。

オウンドメディア(HP)は終わっていた

私見を述べるのであれば、もうオウンドメディアは一部を除き終わっていたと思っている。そう思う印象的な出来事が2016年のコカ・コーラパークの閉鎖だ。コカ・コーラは顧客接点をアプリなどにシフトする目的でサイト閉鎖を決めた。その時に、私はもうHPに人を集めてくる事(囲い込む事)は不可能だと思い始めていた。

しかし、企業は残念ながらかけた投資に対してなかなか撤退という決断をできない。今回の件も”精算”が今になっただけの事にも思う。

全てはスマホの普及から始まった

全てはスマホの普及から始まったように思う。SNSやLINE、ゲームアプリが爆発的に普及して、消費者はネットサーフィンを暇つぶしに使わなくなってきた。少なくとも特定のサイトが集団の中で話題になることは少なくなってきた。その後数多くのキュレーションメディアも生まれてきてはいるが、一部ニュースアプリを除き今はすでにその勢いを潜めている。

顧客の余暇を奪い合うこの時代に、オウンドメディアが提供出来る価値はどんとんと下がり、多額のコストが掛かる割に顧客を囲い込めなくなっていった。もう検索というのは「何かを解決したい」と思った人が行う検索行動であり検索ワードがしっかりしていればその悩みなんて上位3サイトくらいで解決する。現に、上位3サイト以外なんてほとんどアクセスされないのだ。しかし、唯一まだオウンドメディアとコンテンツマーケティングの役割が残るのはB2B領域ではないか。検索ワードや悩みが専門的になる傾向があるので、検索ボリュームも少なくアフリエイト等との競争も無い。まだB2Bはコンテンツマーケティングをしばらくは続けられるだろう。

これから企業はどうやって囲い込むか

方法はいくつかあるが、顧客のインフラにしっかりと接点を置いておく事だろう。具体的には、アプリの作成・LINEへの繋ぎこみなどだろう。最近では特茶は製品についている番号をLINEで打ち込むとポイントが貯まり、更にはトークルームでコンテンツが届き、アプリのDLを促すという施策を打っていた。障壁の低いLINEからスタートしてアプリのDLにつなげる見事な流れだと感じた。

しかし、この方法はかなりのコストが掛かっていると思われる。どの会社も同様にこのコストを掛けられるわけではない。戦略PRなどをうまく絡ませながら発信するコンテンツがSNSなどで話題を獲得出来るように、コンテンツ1個1個に注力して、磨く事をおすすめする。

 

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