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基礎から学ぶ、マーケティング戦略の正しい立て方とは。

 

マーケティング戦略の「戦略」の作り方

皆さんは「戦略」と聞いて何を思い浮かべるだろうか。私はスポーツをやっていたので「相手に勝つための方法」などが浮かんだ。マーケティング戦略を始め広告戦略・ブランド戦略・商品戦略など働いていると色々な「戦略」が付く言葉がある。

しかし、改めて「戦略」に関して考えると普段使い慣れてしまったせいか私達の武器の様に思いながらも上手く説明出来ない。また、一般の方からすれば「戦略」は専門知識を持った人間だけが提案できる特別なものだと思う事もあるだろう。

私自身も「戦略」はある職業の人間が使いこなす特別な何かだと勘違いしていた側面があるが、実は「戦略」は誰にでも立てられる、いや立てなければならないものなのだ。私はそれを戦略に関して体系的にまとめられている良書『なぜ「戦略」で差がつくのか。』を読んで改めて気付かされた。

そこで今回はマーケティング戦略の立て方に関して改めてまとめてみた。

ちなみにこの『なぜ「戦略」で差がつくのか。』はKindle Unlimited対象となっているので加入者は是非読んで欲しい。また、未購入者は30日無料なので是非この機会に。

 

上昇するグラフの図 

なぜ、マーケティングに戦略が必要なのか。

そもそも、なぜマーケティングには戦略が必要なのだろうか。まずはこの「戦略」の必要性から紐解いていきたいと思う。書籍には「効率的に資源を運用できて、効果的に目的を達成出来るから。」という旨の言葉が書いてあった。そして、戦略の定義・資源・目的それぞれについて丁寧に説明がなされているので是非お読みいただきたい。

ただ、私はシンプルに何故戦略が何故必要かに関しては「目的を達成に不確実性が伴うから」であり、戦略があるとどう良いかはに関しては「その目的の達成可能性を最大限に高める為」と理解している。

そもそもに、自分の意思だけで確実に達成しうるもの(例えば毎日10語英単語を覚えるなど)に関しては「計画」で事足りるからだ。※意思が弱いから達成出来ない可能性があるという類の話は今回考慮しないものとする。

また、それだけではなく戦略を立てることに関しては自分がどの位置に居るかがわかるようになり、度重なる意思決定においても戦略に則って選択をする事で意思決定を迅速に頭脳労働を少なく達成出来る。

そもそも論になるがことマーケティングにおいては、競争原理の働いている市場の中でいかに商品が売れるように試行錯誤して実施する施策なので全ては「不確実性」のもとに動いており、マーケティング戦略という言葉自体ナンセンスなのかもしれない。

 

マーケティングに「戦略」が必要な理由

  • 不確実性のある目的の達成可能性を最大限高める
  • 自分が目的の達成にあたり現在どこの位置にいるかを把握できる
  • 意思決定を迅速かつ最小限の頭脳労働で出来る 

 

 

良い「目的」を作るには

良い「戦略」は良い「目的」の達成の基に成り立つといっても過言ではない。その為にまずは「目的」とは何かをしっかりと理解するところから始まる。

 

良い「目的」の条件

書籍ではSMAC、SMART両方のフレームワークを用いて説明されていたが私はSMARTを使う。理由はSMARTにはTの時限的な考え方が反映されているからだ。なぜ時限的な指標を重視するかという点に関しては、この移り変わりの早いマーケットにおいて期限を決めずに戦略を立てる事は非常に危険だからだ。目的を作る時に期限が指標に入っていると「どうしてその期限にするか」という思考を一度挟む。市場環境などを考慮しながらいつまでにその目的を達成する、出来なければ目的を見直すというサイクルがマーケティング戦略上は非常に重要になっている。

Specific(具体的に)

数字などを明確に示す「例:売上10%UP、CVR1%改善等」
Measurable(測定可能な)

目的は測定出来るもので示す「例:売上金額、PV数、来場者数等」
Achievable(達成可能な)

達成不可能な目的は目的ではなく夢・妄想である「例:来年までに火星に店舗を作る等」
Related(経営目標に関連した)

自社・自部署の役割と合っている「例:(営業部なら)売上目標、(マーケなら)認知率等」
Time-bound(時間制約がある)

目的達成までにリミットを設ける「例:半年以内に〜、20XX年までに〜等」

これを踏まえて仮に目的を作るならば「半年以内にECサイトの売上を上げるためにECサイトのUUを現在の7万人から10万人まで増やす」などである。良い目的を作ると人によって捉え方が変わることもない明確なものが出来上がるはずだ。

 

すぐに置いていかれる「目的」

本の中で紹介された事例が非常に心に刺さった。「プレゼン時に動画を流す、しかしスピーカーから音がでないとき私達は一生懸命にスピーカーから音を出そうとするが本当の目的は聴衆に音声付きの動画を見せること。実はPCから直接音を出しそこにマイクを近づければ良い。なのに、気づくと”聴衆に音を聞かせる”という目的が”スピーカーから音が出ること”にすり替わっている」という話が非常に分かりやすかった。

上記のSMARTの事例の中で、売上を上げる為にUUを〜とした理由は、マーケティングにおいてUUやPVなどの数値や分析そのものが目的とされてしまう事が多いからだ。依頼に対して「それ何のためにやるんですか?」ともう何千回と思った事がある。「ライバルにリスティングで負けないよう表示順位を1位にしたいんです」「テレビをこのくらい出稿したいんです」 などの依頼に対して「何のためですか?」と聞くと私の目標なのでと返ってくる。おそらく担当がその目標を与えられた根幹をたどっていくときっと”商品を売る”という目的があったに違いない。いつも目的は迷子になる組織としてしっかりと明文化された目的を持っておく必要がある

 

良い「戦略」を立てるには

さて「目的」を定めたらいよいよ「戦略」を立てる段階に入っていくが「戦略」を立てるためにはまずは人を知る者は智なり、自らを知る者は明なり。(他人を知るものは優秀だが、自分を知っている人間の方がより明晰であるという意味)という言葉もあるがいくら外部環境などを分析しても自分の持っている「資源」を知らないと良い「戦略」は立てられない。「資源」を把握する事こそ良い「戦略」を立てる条件だ。

 

自社の持っている「資源」を正確に把握できるか

マーケティング戦略においてこの「資源」をきちんと把握出来ているかは重要となってくる。「資源」には様々なものが含まれる、マーケティング予算、マーケティング担当(の能力や知見)、今まで培ってきたブランド力、オウンドメディア、過去の企画の成果のデータ etc...

もう上げていくと永遠に挙げられるのではないかというほどの資源がある。その資源をいかに効果的に組み上げていくかというのが戦略を立てる上でのポイントになるのだが、私はこの「資源を組み上げる」という能力は比較的多くのマーケティング担当に備わっているが「資源を把握する」という能力に乏しい組織・担当が多いと思っている。

自社が過去に立ち上げたオウンドメディアは放置、なんとなく取っていたメーリスのリードは定期的に特定の情報を送っているだけ、過去に前任担当が実施したイベントの情報は共有されずに属人的な対応になってしまっているなどだ。

 

戦略は「資源」の最大化でもっと良くなる

申込率が0.1%のチラシがあるとする。10,000部配布して申込みが10人だったそのチラシを申込みを10倍にしよう目的を立てたとする。その時に方法としては100,000部のチラシを配布するのが一番確実で簡単なように思えるがコストという「資源」が限られている事が多い。その場合、申込率を1%のチラシを作るというのが多くの企業が取る方法である。

しかし「同じコストでもっと効率の良い方法を探すという」選択肢はあまり取られない。まして「サービスをテコ入れして改善を目指す」という方法はめったに出てこない。目的に立ち上って、その達成の為に「資源」をいかに有効的に使うかというのが非常に重要である。

また、事業者側の企業が見落としがちな点としては人材という「資源」だ。外資系企業では当たり前のようにマーケティング担当を雇用する事が多いが日経企業ではマーケティングのセクションは「ジョブローテーション」の一貫で配属されたプロフェッショナルでは無い方が多い。

もちろん、組織論としてこのプロフェッショナル育成論は賛否あると思うがナレッジがたまらないという点だけは各社解消したほうが良い。組織として、担当が実施した施策・コスト・成果は必ずレポートにまとめさせ保管する事をおすすめする。組織にナレッジが蓄積していくだけでマーケティングコストの効率的な利用が出来るようになる。

 

 

良い「戦略」の条件

  • 戦略で成し遂げたい「目的」が「良い目的」である
  • 自分の持っている「資源」を効率的に活用出来ている

 

いかがでしたでしょうか。「戦略」をしっかりと知るだけで1のパワーが10になったりもします。良い「戦略」は、体系的に学べるので是非この機会に「戦略」について考えてみてください。

 

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