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ついにAmazonが不動産事業へ。GAFAの不動産事業への参入について考察

先日、Amazonが不動産事業へ参入するというニュースが流れました。

そのニュースを基に、GAFAの中で先陣を切って不動産事業に乗り込んできた、Facebookが見据えるつぎの戦略を考察してみたいと思います。 

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Amazon不動産事業参入の概要(TurnKey)

Amazonが提供するのは「TurnKey(ターンキー)」と名付けられ、米国の主要15都市圏で住宅を探す人と地元の仲介業者を繋ぐサービスである。仲介業者側でプログラムに参加するのは、コールドウェルバンカー、センチュリー21、サザビーズ インターナショナル リアルティなど、事前審査を受け、高い評価を受けたリアロジー傘下の複数のエージェントとの事。

これらのエージェントを通じて購入契約を結んだ住宅購入者には、アマゾンが1000~5000ドル(約11万~54万円)相当の製品やサービスを特典として提供する。

 

Amazonは何が目的か

いきなり本題ではあるが、Amazonは何故このタイミングで不動産に参入を行ったのだろうか。100兆円を超える不動産仲介事業というパイの吸収はもちろんだが、別の目的もある。

スマートホーム市場でのシェア強化

まず、スマートホーム市場でのシェア強化というわかりやすい話がある。Amazon Echoの販売からアレクサ搭載の家具が多く世の中に出ているが、この分野はGoogleAppleなど他のGAFAも力を入れている分野であり差別化しづらい。そんな中で、引越しという大きな契機に接点を持つことによって家の中全部をAmazon機器にしてしまおうという考えだろう。

顧客接点の確保

2つ目が、顧客接点の確保だろう。情報がいかに爆発的に増えても、絶対に人間が接触するのは家と、職場、サードプレイスの移動する途中の交通広告だろう。そんな中で、技術が発達してアプリやオウンドサイトと、そこへ誘引するポップアップやメルマガなどは進化し続けているが、結局はスマートフォンという箱の中で色々なアプリやサイトが競い合っている構図になる。なので、家の中で確実に接触できるものがあるのならばそれはAmazonにとっては強力なECサイトへの誘引になるのだ。Amazonダッシュはあの様な形でキャンペーン的に終幕したが、いよいよ家の中でのECとの接点は本丸が来る。

 

 

国内不動産業界は黒船にどう対抗するか

GAFAの今後の動向

日本の不動産業界は長年、岩盤規制と見えない規制に守られてきた業界である。不動産テックなどには必死に対応をする姿勢を見せているが、今後デジタル領域での少しの規制緩和で、一気に外からの攻撃にはもう耐えられなくなる日が来るかもしれない。

その点、Amazonにとって日本の市場が魅力的かはおいておいて一番上陸可能性が高いようにも思える。Googleは間接的に不動産事業に関わっているという見方があるが正直それを言ってしまうと全業種に言えると思う。検索というアルゴリズムの提供においてはGoogle先生は避けて通れない道だろう。Googleは、インフラの提供という点に徹すると考えており””不動産”に特化した何かを実施してくるとは考えづらい。

あとは、Apple HOME(本当の意味での家)などが出るか、ではあるが現実今のAppleがその方針を取ってくるとも思えない。目下、Appleは今解決しなければならない課題があるからだ。Facebookが何かしてくるビジョンも見えないが、進出しても不動産テックとの共同戦線などではないだろうか。

 

OYOがもたらす変化

ソフトバンクが出資したOYOをご存知だろうか。OYOはインド初の巨大ホテルチェーンであり、ソフトバンクと組んで「OYO LIFE」として不動産事業に乗り込んできた。すべての部屋が家具家電付きに加えて、敷金・礼金・仲介手数料0円で提供、テクノロジーを活用し、スマートフォンひとつで物件探し、契約や支払いのインフラ整備から退去まで一気通貫のサービス提供を実現し契約までは30分というのが売りだ。このビジネスモデルを見た時に、私は大きな変化が日本に起こると感じた。日本は敷金礼金の習慣と契約更新の習慣があり、色々なところで暮らしたい若者のネックになっておりアドレスホッパーなどを生み出してきた。しかし、このサービスが普及するとゆるく色々なところで暮らすという生活が実現する。全国で積極的に人材採用と住宅拡充をしておりこの辺の動きの早さとダイナミズムはさすがソフトバンク資本といったところだ。

 

日本の不動産事業の状況

住友商事が不動産賃貸における契約の電子化に向けてベンチャーと組んで開発などを進めるなど、各社不動産テックへの出資や取り組みは精力的に行っているが、あくまでもそれは単純に既存のスキームをデジタルに置き換えたに過ぎない。ゲームチェンジャーはやはり”外にある”と言わざるを得ない。彼らが変革を起こせるとしたら、今までに分譲してきた不動産の会員組織の利用や、管理会社が管理している顧客へのサービス提供領域でのサービス革新などではないだろうか。 しかしながら、昨今の好景気に浮かれてか、今の所目立った動きは見受けられない。どこが最初に動くのか、黒船にどこまで対抗出来るのか。

 

 

Amazonの不動産事業は日本にどの様な影響を及ぼすのか、OYOが日本国内でどれだけ力を発揮するか、今後も注目していきたいと思います。

 

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